村の人々は、この護符が愛を結びつける力を持つことを知り、自分たちや家族の絆を強めるためも護符を求めるようになりました。 しかし、相思相愛の護符は特別なものであり、老人が持っていたものは唯一無二でした。そのため、花と慧は村人たちに対し、同じような護符を作る方法を探すことにしました。 ふたりは協力して数年間、護符の秘密を解き明かすために試行錯誤しました。古い書物を調べ、山間の修行者たちに助言を求めましたが、なかなか成功することができませんでした。 ある日、ふたり山の奥深くにある寺院を訪れました。寺院の住職は古い伝説を知っていました。それは、千年以上前に仙人がこの地を訪れ、相思相愛の護符を作ったというものでした。 住職は花と慧に言いました。「その護符は、仙人が使った特別な材料と秘術で作られました。村の人々が同じような護符を作りたいのなら、仙人が手に入れたという特別な花を探す必要があります。」 ふたりは言葉に胸を躍らせ、仙人が手に入れた花を探す旅に出ました。数週間にわたる旅の末、彼女たちは美しい谷底で特別な花を見つけました。その花はまばゆいほどの輝きを放ち、愛の象徴としてふさわしいものでした。 村人たちは喜び勇んで護符を手に入れ、家族や愛する人との絆を深めるために使用しました。相思相愛の護符は、愛と絆を持つ人々に幸福と安らぎをもたらしました。 独り身だった男や女は、自分の好きな異性と、 ことごとく結ばれることが出来ました。 ある女性は一度別れた相手から、また復縁を申し込まれたり、 身分や立場の障害から結婚や恋愛を諦めていた者同士も不思議と結ばれることが出来ました。 ずっと愛されることなく過ごしてきた男も女も、自分を愛してくれる異性に出逢うことが出来ました。 そして、それから先、その村では相思相愛の護符が大切な伝統として受け継がれていきます 「相思相愛結び花　の伝記より抜粋」